アプローチの再考になるかも?静歩行と動歩行について考える

 

ブログへの訪問ありがとうございます。

 

 

今回は「静歩行」と「動歩行」について書いていきます。

 

 

両者の言葉を聞いたことがありますか?

 

 

両者は力学的に歩行を考えていくうえで大事な要素になってきます。

 

 

それぞれの力学的特性を学んでいきましょう。

 

静歩行と動歩行について

力学的に二足歩行の形態を分類すると、静歩行と動歩行に大別されます。

 

 

静歩行とは重心の床面への投影点が左右いずれかの足底に位置する歩行をいいます。

 

 

静歩行では、重心の位置が常に支持基底面内に存在するようにバランスを取りながら歩行します。

 

 

これは高齢者や不安定な路面環境で足元に注意を払いながら一歩一歩、足を踏み出しながら歩くような場合に選択される歩行パターンと言えます。

 

 

静歩行は常に静的にバランスを保っているため、どの瞬間で動作を止めても、その場でバランスを取って静止することができます。

 

 

動画でいうとこんな感じ↓

歩行が不安定な患者さんは正にこの歩行様式が多いのではないでしょうか?

 

 

一方、動歩行は重心の床面への投影点が足底から外れる歩行様式をいいます。

 

 

重心の移動を予測して動的なバランスを取っているため、動的には安定ですが静的に見た場合には不安定です。

 

 

したがって動作を途中で静止するとバランスを崩して倒れてしまいます。

 

 

動歩行では、運動量を打ち消してから歩行動作を停止しなくてはなりません。

 

 

動画でいうとこんな感じ↓

 

 

ここまで読んでみて、どちらの歩行様式の制御が難しいと感じましたか?

 

 

 

 

制御は動歩行のほうが難しくなっています。

 

 

我々が選択している正常歩行といわれるのも動歩行に分類されています。

 

静歩行と動歩行の特徴について

静歩行と動歩行の特徴について以下の図にまとめます↓

(引用)レクチャーノート歩行の臨床バイオメカニクス【改訂版】:石井慎一郎 著

 

 

静歩行の最大の特徴として「転倒しない」ことを最優先にして制御が行われます。

 

 

そのためいつでも静止できるという点がメリットになります。

 

 

路面環境を視覚的にフィードバックしながら歩くような場合や暗闇などを歩くような場合には静歩行が選択されます。

 

 

また、重心の位置が支持基底面内に存在しているため歩行速度は遅くなります。

 

 

一方、動歩行は常に静的なバランスを崩しながら倒れこむように歩行します。

 

 

床面の凸凹や環境の変化などにも対応できるというメリットがあります。

 

 

また両脚支持期が短く、体幹をアップライトに保ったまま勢いをつけるため、速い速度で歩行できるというメリットもあります。

 

 

先ほども書きましたが、ヒトの正常歩行といわれているものは動歩行に分類されます。

 

 

動歩行の最大のデメリットとして、途中で動作を静止することができないという点です。

 

 

通常、動歩行を停止する場合には、最低でも2歩脚を踏み出し、運動量を完全に打ち消してから停止する必要があります。

 

 

まさに「全体、止まれ、1、2」という号令は良い例でしょう。

 

アプローチを再考する

こんな場面を想像してみましょう。

 

 

右大腿骨頚部骨折術後の患者さんに対し、杖歩行をするために左下肢のステップ練習(右下肢の荷重練習)をしています。

 

 

その時にあなたが「右足に体重をしっかりかけて左足を出して!」と患者さんに指導します。

 

 

 

はい!これ私もやってました。

 

 

では何がいけないのか?

 

 

上記は、十分に重心を移動して下肢を振り出す練習をしています。

 

 

これは静歩行の重心制御であって、動歩行の制御とは違います(静歩行の重心制御を練習しているのであれば別ですが)。

 

 

通常の歩行における重心の側方移動は左右5cm程度といわれており、静歩行を行うと重心は側方に10cm以上移動することになります(支持基底面内に重心が完全に入る必要があるため)。

 

 

そのため、動歩行では重心を移動させているのではなく、重心がなるべく移動しないように制御されているため、左右の下肢で重心を押し合うようなトレーニングが必要になります。

 

 

例えばボールを体の中央に持ったまま足踏みするような練習とか。

 

まとめ

静歩行と動歩行についてまとめました。

 

 

  • 「静歩行」は、重心の位置が常に支持基底面内に存在するようにバランスを取りながら歩行する。
  • 「動歩行」は、重心の位置が支持基底面内に存在しないまま歩行する。

 

 

ポイントは重心の側方移動は左右5cm程度です。

 

 

重心制御をキーポイントにその人にあったアプローチを考えていくことが大事になります。

 

 

参考になれば幸いです。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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