あなたも言ってませんか?立ち上がる際のNGワードとは?

 

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前回までは立ち上がりに必要な運動戦略について↓

立ち上がりに必要な運動戦略とは?〇〇戦略と〇〇戦略

2019-04-18

 

 

運動量戦略で大事なこと↓

運動量戦略とは?〇〇で踏ん張ることが大事!

2019-05-01

 

 

について書いていきました。

 

 

今回は立ち上がりを指導する際に必ず言うであろうあの言葉

 

 

おじぎをして立ちましょう!

 

 

についてです。

 

 

「おじぎをして立ちましょう」って実はこれ・・・・NGワードなんです。

 

 

なぜでしょう?

 

 

その理由を書いていきます。

 

おじぎがダメな理由

結論からいうと

 

 

股関節のみが屈曲し、骨盤が前傾するような形(体幹前傾)であればOKです。

 

 

ただし、患者さんの多くは上部体幹から脊柱の屈曲を伴うような形で行ってしまいます。

 

 

これがダメなパターンですね↓。

 

このパターンで行っている方に対して、「おじぎをして立ちましょう」と言っても立ち上がることができません。

 

 

ここで大事なことは、立ち上がりを開始する際にどのようにして身体重心を前方に加速させるかになります。

 

身体重心を前方に加速させるメカニズム

身体重心を前方に加速させるメカニズムには、股関節の屈曲と骨盤の前傾が重要な役割を担っています。

 

 

立ち上がり動作を行う直前に骨盤がわずかに前傾して、坐骨結節で体重が支持されます。

 

 

立ち上がり動作が始まると骨盤が大きく前傾します。

 

 

この骨盤の前傾により、坐骨結節が座面上を後方へ移動します。

 

 

それに伴い骨盤から上部体幹を前方に回転させる勢いがつくわけです。

 

このように、立ち上がるための身体重心の前方への加速は、骨盤が回転する力によって生み出されているのです。

 

骨盤を前傾させるメリットとは?

骨盤を前傾させるメリットには何があるか?

 

 

骨盤を前傾させるメリットとしては、荷重に対する下肢の準備動作になります。

 

 

どういうことか?

 

 

1つ実験をしてみましょう。

 

 

座っている姿勢から

 

①脊柱を屈曲させるパターン

②骨盤を前傾させるパターン

 

それぞれで大腿四頭筋を触診してみましょう。

 

 

どうですか?

 

 

 

 

②のほうが大腿四頭筋が収縮したのではないでしょうか。

 

 

このように、動作の前に骨盤を前傾させることで、荷重に対する下肢の準備動作を行うことができます。

 

骨盤を前傾させるには?

骨盤を前方に回転させるには、大腿骨頭で臼蓋から上半身の重さを受け止めることができるかが大事になります。

 

 

さらに骨盤を回転させる回転力は、主に股関節の屈曲筋である腸腰筋(特に大腰筋)で供給されます。

 

特に大腰筋は骨盤を股関節上で前方に回転させる主要な筋肉となっています。

 

 

加えて大腰筋は腰椎の多裂筋と協調して、体幹が前傾した際に生じる腰椎の屈曲作用に拮抗し、脊柱を骨盤上で固定します。

 

 

プラス前回の記事でも書きましたが、踵で踏ん張ることも大切になります↓

運動量戦略とは?〇〇で踏ん張ることが大事!

2019-05-01

 

骨盤の運動を制限する因子

立ち上がりにおいて骨盤を前傾させるメリットについて書いていきましたが、骨盤が前傾できないor動作につながらないという方に対して、あなたならどのような評価をしますか?

 

 

骨盤の運動を制限する因子として

 

①腰椎の可動性低下

②胸郭の可動性低下

③腸腰筋・多裂筋・腹横筋などの機能不全

④股関節の可動性低下

⑤患者さん自身の恐怖感

 

などが考えられます。

 

 

やり方はどのようなものでもいいですので1つずつ仮説・検証していきましょう。

 

 

今回はその中で③股関節の可動性低下に対する評価方法の一例を紹介します。

 

 

これは大腿骨頸部骨折などの股関節疾患の方などにも使えますので参考にしてみて下さい。

 

 

やり方は簡単で下図↓のように、腰椎が前弯位を保持するように腰の下にクッションを入れます。

検査者は骨盤が後傾しないように股関節を屈曲させます(腰椎が前弯位を保持するように腰の下にクッションを入れる)。

 

 

屈曲制限があると、骨盤後傾によって可動域の不足分を代償してきます。

 

 

ちなみに立ち上がり動作に必要な屈曲可動範囲は100°前後になります。

 

アプローチの一例

高齢者のなかでも可動域や筋力は保たれているにもかかわらず、骨盤前傾による重心の前方移動が困難な方も多いです。

 

 

そのような方のアプローチとして、セラピストが患者さんの大腿前面の皮膚を同時に遠位方向へ移動させることで、骨盤前傾を誘導することができます。

対象者の状態によって

・皮膚の誘導でいいのか

・筋肉を誘導したほうがいいのか

・脊柱を誘導したほうがいいのか

・下肢から誘導したほうがいいのか

・それぞれを組み合わせて誘導したほうがいいのか

 

個別性にあわせた仮説ー検証をしていきましょう。

 

まとめ

ここまでなぜ「おじぎをして立ちましょう!」はNGなのか書いてきました。

 

 

立ち上がりをする際には骨盤前傾をすることが必須であり、そのためには上記の可動域・筋力を含めた評価を行っていくことが大事になってきます。

 

 

この内容が臨床の参考になれば幸いです。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

参考

石井慎一郎:動作分析 臨床活用講座 バイオメカニクスに基づく臨床推論の実践;P130-131;MEDICAL VIEW;2013

福井勉:ブラッシュアップ理学療法;P319-320;三輪書店;2012

 

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