とりあえず寝かせていませんか?治療肢位の選択について考える

 

ブログへの訪問ありがとうございます。

 

あなたはこのような場面に遭遇したことはないですか?

 

 

リハビリをするときに、患者様が何も言ってないのにプラットホームに座った途端靴を脱いで横になる。

 

 

そうです。

 

とりあえずプラットホームに横になる問題

 

 

プラットホームに横になるのが悪いといっているのではなく、その治療肢位を選択した理由というものを考えないといけません。

 

もちろん、運動療法や自主練習でもそうです。背臥位であれば、背臥位のメリット・デメリットを考えて運動療法などの難易度調整を行っていきます。

 

 

今回はそれぞれの治療肢位のメリット・デメリットを考えていきましょう。

背臥位について


背臥位は立位に近いアライメントであるため、立位に近い筋の長さで股関節の活動を促すことができる。上肢では肩甲胸郭関節の安定をベッドが保障してくれたりするなどなど、治療する際に1番選択されることの多い肢位です。

 

 

理由としては支持面が広いこと、四肢の運動の自由度が高いことがあります。

 

 

確かに支持面が広いことで筋肉の緊張が緩みやすかったりしますし、可動域の改善が図りやすかったりします。

 

 

しかし特に急性期の整形疾患や片麻痺の患者様で、面ではなく点で固定している場面も見受けられます。つまり、強い接触部位を使って姿勢を固定しようとしています(例えば反り腰とか)。その結果筋肉の緊張を緩めることができなくなってしまうケースも見受けられます。

 

 

他にも、覚醒が低い人に対しては余計に覚醒が悪くなることもある。抗重力筋の賦活が出来ない。円背が強い方に関しては肢位自体をとることができないなどのデメリットがあります。

 

側臥位について


側臥位は股関節外転の運動や寝返り・起き上がりの誘導場面などにて利用していきます。

 

 

側臥位は意外に治療肢位として難しい姿勢となります。

 

 

なぜなら、支持面が長く狭いため不安定になりやすいからです。そこを代償するように(下側の)下肢や体幹の位置を変えることで難易度調整を図っていきます。

 

 

どういうことかというと、下肢であれば股関節や膝を曲げる角度、体幹であれば半腹臥位や半背臥位といったような具合に調整することができます。

 

 

患者様の状態や自分の誘導したい方向などに応じて工夫していくことが大切です。

 

腹臥位について


腹臥位は膝の屈伸(特に伸展)の可動域exや抗重力筋(特に大殿筋や僧帽筋)の促通を図り股関節伸展や胸椎伸展を促すなどといった場面で利用することがあります。

 

 

腹臥位は治療する際の選択肢としてはあまり多くないかもしれません。

 

 

メリットしてとしては上記の治療場面に加えて、腹部の筋肉を伸ばすことができるため背部の筋肉の緊張をやわらげる効果も期待できます。

 

 

一方デメリットとして、高齢者では内臓を圧迫するため不適応となりやすいことやコアのトレーニングでは腹圧コントロールの面で難易度が高くなってしまいます。

可能であれば若年者やアスリートを中心に選択していくといいでしょう。

 

端座位について


端座位は上肢の治療(リーチ動作など)においてはよく選択される肢位です。

 

 

動作の切り替え(座位↔立位、座位↔背臥位)や視覚を利用した膝の屈伸動作などの場面にて利用していきます。また、下肢の支持性が必要でないため、立位に繋げていくための難易度調整の一つとして利用しています。

 

 

機能的な端座位としては、①頭頚部が自由に動かせること②上肢が自由に使えること③様々な目的活動をする上でスムーズに動作の切り替えができることなどが条件として挙げられます。

 

 

これを可能にするためには、特に体幹伸展のコントロールや体幹の上部と下部を分離して制御する能力が必要になってきます。つまり「体幹」のコントロールが端座位を制御する上では非常に大きな役割となっています。

 

 

さらに動的な姿勢バランスを制御していくためには、殿部や大腿後面の支持基底面とも連続した調整も加わって制御されていると考えます。

 

 

また基本動作を保障する姿勢として座位と立位があげられます。この2つの姿勢が不安定だと歩行に繋がらないため、歩行へ繋げていくためにも座位の安定性や活動性の向上は大事になってきます。

 

立位について


立位は、応用的なバランスの練習(料理や洗濯物干しなど)や歩行場面の一部を再現したりと様々な目的で選択される肢位です。支持基底面も狭くなってくるため、立位に持ち込む前の準備的な治療場面が重要になります。

 

 

端座位姿勢に比べてより下肢の支持性を必要とします。そのため体幹や骨盤帯のコントロールがより必要になってきます。特に上部体幹は、骨盤の移動に対する補助と、バランスに向けた運動という少なくとも二重の負荷が、端座位以上にかかっています。

 

 

機能的な立位姿勢としては①頭を自由に動かせる②手が使える③歩きだせる、止まれる④座れる(しゃがめる)、立ち上がれることなどが条件として挙げられます。

端座位と大きく変わりはないですが、共通していえることとしては「体幹」の柔軟性が必要であるということでしょう。

 

 

治療の一例として立位が不安定な方に対しては、手すりなどの道具で難易度調整を図りながら、患者様がバランスをとれる位置(止まる瞬間と位置)を探索していきます。

 

バランスがとれてきたら軽い外乱を加えていきます。外乱に関しては事前に方向などは本人に伝えます(伝えることで予期して構えることが出来るからです→予測的姿勢制御)。このようにして、徐々に自分でバランスを取れる(安定する)位置を患者様自身に探していってもらいます。

 

治療肢位の選択において大事なこと

それぞれの治療肢位のメリット・デメリットを整理していきました。自分なりのメリット・デメリットを考えていきながら運動療法などの治療アプローチを選択していくわけですが、大事なこととして、それぞれの治療肢位で難易度調整をしながら運動学習を図っていくことです

 

 

難易度調整については、自分が促通したい(運動学習を図りたい)ポイントに対し最適な治療肢位を選択していきます。加えて支持基底面やレバーアームの長さを調整していきます。

 

 

治療肢位の難易度についても必ずしも 背臥位<座位<立位 ということにはなりません。座位で骨盤後傾してしまう方に対して、座位での治療より立位に近い形でアプローチをしたほうが反応が良い場面もあります。つまり、体幹にとっては骨盤後傾になりやすい座位よりも立位の方が介入しやすいのではないかということです。

 

 

その人の反応や姿勢制御、どこを促通していきたいかといったように個別性にあわせた治療肢位の選択が必要になります。つまり、なぜその治療肢位を選択したのか?自分なりの解釈がないといけません。

 

これを考えるだけでも、治療の幅は広がってくるのではないでしょうか。治療肢位の選択も介入の一部なのです。

 

まとめ

それぞれの治療肢位に対してメリット・デメリットを考えていきました。

  • それぞれのメリット・デメリットを考慮しながら個別性にあわせた治療肢位の選択が必要になります。
  • 必ずしも難易度として 背臥位<座位<立位 ではありません。
  • なぜその治療肢位を選択したのか?常に考えていきましょう。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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ABOUTこの記事をかいた人

大川雅史

当ブログへお越しいただきありがとうございます。総合病院勤務の理学療法士。「健康で元気な生活をサポートする」がモットー。一般の方、セラピスト向けに理学療法士としての知識を中心にアウトプットしていきます。