立ち上がりに必要な運動戦略とは?〇〇戦略と〇〇戦略

 

ブログへの訪問ありがとうございます。

 

 

今回は「立ち上がり」について書いていきます。

 

 

あなたも立ち上がりが上手くいかない患者さんを経験したことはありませんか?

 

 

立ち上がるという動作は、下肢で体重を支持しながら狭い支持基底面のなかで身体重心を大きく上下に移動させる動作であり、姿勢制御の観点からも難易度の高い動作といえます。

 

 

立ち上がりが出来なければ、移乗もトイレ動作も歩行、そして立位での活動全般も行うことが出来ません。

 

 

そのためADLの自立度を高めるためにも「立ち上がりが出来るか!」が非常に大事になってきます。

 

 

今回はそんな立ち上がりの運動戦略について説明していきます。

 

 

これが分かると、立ち上がりの介助にも活かすことができると思いますよ。

 

立ち上がりとは?

今更ながら立ち上がりの特性は

 

 

身体重心を足部で作られる支持基底面内に移動させてから、上方に移動させることです。

 

 

立ち上がる際に用いる運動戦略として

 

 

  • stabilization strategy(安定戦略)
  • momentum strategy(運動量戦略)
  • combined strategy(混合型戦略)

 

 

があります。

 

 

今回はstabilization strategy(以下:安定戦略)とmomentum strategy(以下:運動量戦略)について説明します。

 

安定戦略と運動量戦略の違い

安定戦略と運動量戦略の違いは、離殿する際に身体重心が支持基底面内にあるかないかです。

 

 

どういうことかというと

 

 

安定戦略は、はじめに股関節を屈曲させて上半身を大きく前方へ傾け、身体重心を足部で作られる支持基底面内に入れてから立ち上がる運動戦略です。

 

この運動パターンは、主にゆっくりと立ち上がるときに選択されます。

 

 

一方運動量戦略は、身体重心を前方へ加速させて立ち上がる運動戦略です。身体重心が足部で作られる支持基底面内に入る前に殿部が座面から離れます。

 

 

その際、身体重心には前方に加速する勢いがついているため、身体重心が支持基底面内に入っていない状況で殿部を座面から離しても後方へ転倒せずに立ち上がることができます。

 

運動量戦略は勢いを利用して立ち上がるため、安定戦略と比べて上半身の前傾角度は少なくて済みます。

 

 

通常、私たちが用いる戦略は運動量戦略です。

 

 

ただ安定戦略を選択することもできます。つまり両方の戦略を選択して行うことができます。

 

 

しかし、患者さんたちは安定戦略を選択することがほとんどです。

 

 

難易度としては運動量戦略の方が難しい動作パターンといえます。

 

 

なぜ難しいのか?

 

 

それは、殿部が座面から離れた瞬間に身体重心が支持基底面のなかに入っていないため、勢いが不足すると後方に倒れてしまいます。

 

 

逆に勢いを付けすぎると前方へ倒れてしまいます。

 

 

そのため、勢いの付け方が難しい動作パターンだといえるわけです。

 

 

患者さんはこの勢いをつけるのが苦手なんですよね。

 

 

ただ動作パターンとしては、運動量戦略を評価していくことが大事になってきます。

 

なぜ運動量戦略を評価するのか?

先ほど運動量戦略は安定戦略に比べ難しい動作パターンだと書きました。

 

 

でもこんな疑問が湧かないですか?

 

 

  • 別に立つことが出来ればどっちの戦略でもいいんじゃない?
  • わざわざ難しい戦略をとる意味あるの?
  • 運動量戦略を評価する意義って何?

 

 

運動量戦略を用いた立ち上がり動作を評価する意義は、この戦略が歩行機能と密接に関係しているからです。

 

 

どういうことかというと

 

 

立ち上がりは、身体重心を足部で作られる支持基底面内に移動させてから、上方に移動させる課題であり、歩行における荷重応答期から立脚中期の機能と密接に反映させる動作課題となります。

 

 

立ち上がりや歩行を行う際に私たちが選択する重心制御の戦略は、運動量戦略です。

 

 

立ち上がり動作で運動量戦略を用いた重心制御が行えず、安定戦略で動作を遂行する患者さんは、歩行でも安定戦略を用いて動作を遂行します。

 

 

立ち上がり動作を評価する際運動量戦略を評価する意義は、歩行における重心制御能力を考えていくうえで重要なことになります。

 

まとめ

立ち上がりの運動戦略についてまとめました。

 

 

  • 安定戦略:体幹を前傾させて身体重心を支持基底面に入れて立ち上がる
  • 運動量戦略:勢いを利用して立ち上がる

 

 

運動量戦略のほうが難しい動作パターンといえますが、歩行などの動作に繋げていく場合においては大事な戦略になってきます。

 

 

あなたも立ち上がりの動作指導やアプローチを行う際には、その人の状態にもよるでしょうが、「運動量戦略」で指導していくのをオススメします!

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

参考文献

石井慎一郎:動作分析 臨床活用講座 バイオメカニクスに基づく臨床推論の実践;P122-149;MEDICAL VIEW;2013

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